ファッションとアート マルタンマルジェラの作品の例
1984年からジャンポールゴルチエのアシスタントを経て、翌年にメゾンマルタンマルジェラを設立した。1988年には、最初の「タビシューズ」を発表した。彼の作品には、崩しの美学や黒への傾斜など、様々な点で川久保 玲からの影響が色濃く見て取れ、1998年春夏のパリコレではコム・デ・ギャルソンと合同でショーを開催した。スポンサードリンク
彼の作品には、「割れた皿のベスト」や「カビドレス」、「ウィッグから制作されたトップス」、「王冠ジャケット」、「トランプのウエストコート」、「レコードドレス」などがある。これらの作品を見ると、不要なものや身の回りのものを加工するなどして、工夫を加えることにより、既製観念を揺るがせ新しい視点からの作品を制作している。また、絶え間なく新しいものを生み出すファッションというシステムに対して、そのシステムの中に生きているはずのデザイナー自身が批判している。
しかし、彼はあくまでもファッションデザインを用いてファッションの問題に取り組んできたのであって、その行為が芸術やアートと評価されても、アート行為である意識はないと主張し、今もなお自身の精神を貫き、新しいファッションを提案し続けている。
管理人はこれらのマルジェラの作品から、絵画等をアート的要素として取り込むのではなく、身の回りにある物を用いて独創的な作品を制作することが多い。従って彼は、人が着用できる衣服を制作しつつも、衣服の形態をとった作品を制作し、発表するファッションデザイナーだと考えた。
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